投稿日:2018.08.21 最終更新日:2024.06.12
海上輸送貨物の一連の流れを解説!FLC・LCL貨物がどのようにして届けられるのか国際輸送の流れを説明します。
貨物を海上輸送する場合どのような流れで貨物が運ばれ、受け取り主まで送り届けられるのでしょうか。国内輸送とは違い海外輸送では様々なステップを経て貨物が送り届けられます。今回は貨物の引き取りから受け渡しまでの国際輸送の一連の流れをご説明します。
CONTENTS
1. 貨物をコンテナ・トラックに積み込む
FCL(Full Container Loading)の場合
工場で生産された貨物は出荷準備を迎えています。この時に貨物は梱包されていたり、パレットに乗せられていたりします。出荷準備を終えた貨物をコンテナにフォークリフト、ハンドリフト、または手作業で積み込んでいきます。この時に積込作業をするのは一般的に輸出者様になります。
LCL(Less Than Container Loading)の場合
20フィート・40フィートコンテナに積載するだけの量に満たない場合、LCLという混載便にて貨物を輸出します。この際 貨物はトラックに積み込まれ、CFS(Container Freight Station)という施設でコンテナに他社の貨物と相積みされます。
FCLだが工場にプラットフォームが無い場合
プラットフォームとはトレーラーに積まれたコンテナ(地上 約1.5m)と貨物をフォークリフトなどで積み込む為の高さを合わせる為の設備です。工場にプラットフォームがない場合、フォークリフト・ハンドリフトはコンテナの中に入っていけません。この際に手作業運べないような重量貨物をコンテナの奥に積み込む事が出来ないのでCFSにてバンニング(コンテナへの積み込み)をします。[br num=”2″]
書類
輸出者はInvoice, Packing Listを本船予約時に手配します。VGMを貨物積み込み完了までにフォワーダーに提出します。[br num=”2″] 【関連記事】 海上輸出貨物のBooking方法!タイでフォワーダー にコンテナ輸出(FCL貨物)を予約依頼する時の一連の流れを解説。 LCLの海上輸出で気をつけなければいけない事。FLCとLCLの損益分岐点を理解しメリットのある方を選びましょう。
2. 貨物が港のターミナル or CFSに運ばれる
FCLの場合
貨物を積み込んだコンテナは港までトレーラーにて輸送されます。港では専用のゲートを入っていきコンテナターミナルにてコンテナが積み降ろされ、船への積み込みまでターミナルで保管されます。
LCLの場合/FCLだがCFSを使う場合
貨物はCFSにトラックで運ばれ、CFSで地面に置かれたコンテナに他社の貨物と相積みされていきます。相積みされ満載されたコンテナはコンテナターミナルへと輸送されます。
3. 輸出通関
貨物が港にゲートインする前に輸出通関をします。輸出通関では必要書類(Invoice, Packing List, 輸出許可書など)をもとに、通関士がシステム(EDI)を使って税関に申告します。
4. コンテナが船に積み込まれる
ターミナルではコンテナを船に積み込むガントリークレーンという設備を使用して、あらかじめ予約をしていた本船に積み込んでいきます。
5. 海上輸送
直行便
[br num=”2″] コンテナを積み込んだ船が決められた航路を進んでいきます。直行便ではコンテナは船から降ろされずに目的地まで向かいます。船は各港にてコンテナの積み降ろし・積み込みをしながらスケジュールに沿って運行します。
経由便
目的地まで船が直接行かずに、経由地にて別の船に積み替えて輸送する経由便もあります。主に地方港へ貨物を輸送する場合や、船会社のサービスで主要港でも経由便があります。主要港への経由便サービスは一般的に直行便よりも安くなります。 例えば 日本の地方港への輸送の場合、貨物は韓国の釜山港で積み替えられてから地方港まで輸送されます。
書類
船が港を出港したらB/Lが発行されます。[br num=”2″] 【関連記事】 B/Lについて解説!まず貿易に使われるB/Lの役割を理解しよう
6. 船が港に到着する
コンテナの積み下ろし
船が港に着岸し、コンテナをガントリークレーンを使用して積み降ろしをしていきます。積み降ろされたコンテナはターミナルに運ばれ貨物引き取りまでターミナルに保管されます。
書類
ETAの2日前ほどにArrival Noticeが発行されます。Consignee(輸入者)はB/LとArrival Noticeを持って、D/O(Delivery Order)という貨物引き渡し書類と引き換えます。
7. 輸入通関
Invoice, packing listやその他の必要書類(原産地証明、輸入許可書など)をもとに通関士がシステムを利用して輸入申告をします。輸入通関は輸出通関と違ってより厳しく、貨物の検査が入る場合もあります。
8. 貨物を引き取る
輸入通関が問題なく終わった貨物をターミナルから引き取りに行きます。引き取りの際はD/Oを差し入れしなければいけません。
FCLの場合
トレーラーにてターミナルにあるコンテナを引き取りに行きます。
LCLの場合
CFSで開梱された貨物をトラックにて引き取りに行きます。
9. 貨物を工場まで輸送し、積み降ろす
トレーラー・トラックに積み込まれた貨物を工場まで輸送します。その後、工場にて貨物をフォークリフトや手作業によって積み降ろしていきます。
まとめ
貨物が他国に輸送されるので、コンテナを使って安全に効率的に貨物を輸送するのと、何が輸送されるのかを輸出入国の税関に申告しなければいけないのがポイントです。この一連の流れが理解出来ていると貨物がどこにあるのか、問題が発生した時にどのように対処すれば良いか分かるようになります。