HPS Trade, a distribution agent
that accelerates business locally in Asia

MENUCLOSE

column

貿易の通関を理解する!必要書類からHSコード、原産地証明による特恵関税の確認方法、JTEPA等各種フォームについて解説します。

貿易の通関を理解する!必要書類からHSコード、原産地証明による特恵関税の確認方法、JTEPA等各種フォームについて解説します。 | 海上輸送

貨物を外国に輸出入する貿易において、通関は他国・自国に物が正式に出入りするための手続きとなります。 通関をすることにより、許可のないものや、武器・薬物など禁止されている物が国に流通する事を未然に防ぎ、また関税を徴収する事で他国との経済の均衡バランスを取ったり、国が税収入をあげる事が出来ます。[br num=”2″] 今回は貿易における通関についての全般的な情報をお伝えします。

通関と税関の違い

通関は何を国に輸出入するかを申告する手続き行為であり、税関は港・空港・国境において貨物を通関、審査、密輸の取締り、税の徴収ををする国の行政機関です。 一般的に貨物を輸出入する際にフォワーダー(通関士)が何を、どれだけ輸出入するのかを税関に申告して輸出入の許可を得ます。

通関に必要な書類

Invoice

販売者・購入者・取引条件・商品の価格・個数を記載している書類です。

Packing List

販売者・購入者・商品の梱包形態・貨物重量・貨物サイズ・貨物の個数を記載している書類です。

原産地証明(Certificate of Origin)

貨物が特定の国で生産された事を証明するための書類です。これはEPAやFTAなどで特恵関税を受けるために必要な書類となります。

サポート書類(用途・写真)

家具・本・米などの一般的な貨物であれば税関担当者も説明なしで理解をしてくれますが、実際には色んな種類の貨物・機械・原材料などが輸出入されています。何がどの用途で使われるのかを補足説明する資料が求められる場合が多いです。

他法令に関する書類

化学品・食品・飼料など、税関以外の国の機関で事前に輸出入の許可を取らなければいけない貨物があります。税関への申告時に各機関からの許可書がなければ税関で輸出入の許可がおりません。輸出はできても相手国に輸入が出来ない場合が多いです。[br num=”2″] 例 – 法令名:必要確認書類 a. 食品衛生法:食品等輸入届出書等 b. 植物防疫法:植物検査合格証等 c. 化審法:輸入許可書等 d. アルコール事業法:輸入事業許可書の写し等

関税とは

関税は輸入品に課せられる税金のことです。外国製品に関税をかけることで国内産業が守られる事になりますし、国の税収入にもなります。 関税はCIF Value(貨物代金+輸送費+保険費用)に○%という率でかけられます。関税率は国と国との間における協定により決められており、協定によっては関税率がゼロになるものもあります。

HS Code

製品の分類をするための6桁の番号です。この番号は世界共通であり、すべての製品が番号で管理をされています。この番号が関税率の計算に用いられますので、まず製品を正しいHSコードに割り当てていかなければいけません。 HSコードは同じ原材料のものであっても素材や用途によって番号は異なります。

みかん(オレンジ)での例

0805.10 生鮮オレンジ 2009.00 オレンジジュース 3301.12 オレンジオイル となります。[br num=”2″] 通関士はお客様から頂く情報を元に製品を適切なHSコードに当てはめていきます。HSコードは非常に細かく分類されているので正しいHSコードに当てはめるには、素材・その他の材料・用途・加工・状態などの情報が必要となってきます。 その為 税関に申告するために商品の写真や用途の追加説明を求められる場合があります。

特恵関税を利用する

2国間の貿易の経済活動のなかで壁を取り除き経済効果を上げていこうという協定があります。それがFTAやEPAです。もともとは各国が国内の法律に基づいて定めた「基本税率」があります。 そして現在 164カ国が加盟している世界貿易機関(WTO)があり、加盟国との貿易においては基本税率ではなく、関税率の低い「WTO協定税率」を使用します。現在、国連に加盟している193カ国の内のほとんどがWTOに加盟しておりますので、ほとんどの場合はWTO税率を使うことになります。 更に貿易相手国がFTAやEPAを結んでいたらそちらの税率を優先することになります。

FTAとは

FTAとは2国間における自由貿易協定で、モノやサービスにのみ関税率の撤廃・削減が適応されます。

EPAとは

一方、EPAは経済連携協定で貿易だけでなく人の移動や知的財産の保護にまで広く対象とします。

各原産地証明(フォーム)の違い

貿易においてはFTAやEPAも大枠で同じなので、関税ゼロや削減された関税率で貿易取引をする事ができるのがメリットです。 この特恵関税を受けるために必要なのが原産地証明(Certificate of Origin)でそのフォームはFTA/EPAの各協定によって異なります。

各種フォームの紹介

FTA/EPAの各協定の名前と原産地証明の名称は以下の通りです。

Form D

・ASEAN物品貿易協定: ASEAN Trade in Good Agreement (ATIGA)

Form AJ

・日ASEAN包括的経済連携協定: ASEAN Japan Comprehensive Economic Partnership Agreement(AJCEP)

Form E

・ASEAN中国自由貿易協定: ASEAN China Free Trade Agreement(ACFTA)

Form AK

・ASEAN韓国自由貿易協定: ASEAN Korea Free Trade Agreement(AKFTA)

Form AI

・ASEANインド自由貿易協定: ASEAN India Free Trade Agreement(AIFTA)

Form AANZ

・ASEAN豪州ニュージーランド自由貿易地域: ASEAN Australia New Zealand Free Trade Area(AANZFTA)

Form JTEPA

・日本・タイ経済連携協定: Japan–Thailand Economic Partnership Agreement [br num=”2″] 通関士でない限り、貿易実務・事務をするだけでは全てのフォームの名称を暗記する必要はありません。しかし各貿易国と取引するときに原産地証明(フォーム)が必要になると貿易する貨物が特恵関税率があるかどうかはフォワーダー(通関士)に確認をしましょう。

まとめ

物が国境を超えて行き来するというのはそれほど単純なものではありません。お客様の中には輸入をして貨物が港についてから輸入許可が必要だったと発覚する場合も少なくありません。その際は輸入許可が下りるまで港で長期間保管しなければいけません。もちろん保管料が発生します。 何かを新しく輸出入する際はフォワーダーにお問い合わせ下さい。事前に関税をゼロ・削減する為のアドバイスや必要な許可申請などを確認してくれます。物流に関しては物流のプロにお任せしましょう。