投稿日:2018.12.18 最終更新日:2024.06.12
バイヤーズコンソリデーションとは?LCLとの違いとメリットを解説します。
ある国に点在する複数のサプライヤーから商品を仕入れたいとき、LCLで輸送をするよりもバイヤーズコンソリデーションという手段を用いると効率的に輸送できます。 では、バイヤーズコンソリデーションとはどのような輸送方法なのでしょうか。LCLとの違いやメリットと併せて解説します。
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バイヤーズコンソリデーションとは
バイヤーズコンソリデーションとは、複数のサプライヤーの貨物を1か所の倉庫に集め、ひとつのコンテナにまとめて海外へ輸送する手段のことを指します。 バイヤーが海外でさまざまなメーカーの商品を買い付けたり、複数の拠点で生産した部品を調達したりするときに役立つ方法です。
フォワーダーが商品や情報の一元管理を担う
海外にいるバイヤーが、輸出国にある商品の出荷情報や管理状況をすべて把握することは困難です。そこで、一般的には現地に拠点を持つフォワーダーに委託して、商品や情報の一元管理を任せることになります。 フォワーダーがバイヤーに代わり、商品の倉庫への搬入手続きから検品・仕分け・一体梱包・ラベリングなどの物流加工、船積手配まで一貫して請け負います。[br num=”2″] そのため、細かな要望にも対応してもらえるようなフォワーダーに委託するのがバイヤーズコンソリデーションをスムーズに機能させるコツだと言えるでしょう。
書類上のShipperはフォワーダー名になる
バイヤーズコンソリデーションではShipperが複数存在しますが、便宜上フォワーダーをShipper(売主)にした通関書類を作成し、輸出通関の手続き行います。 インボイスについても、フォワーダーをShipperにしたカバーインボイスを作成しますが、実際のサプライヤーをShipperにしたインボイスをサブ資料として添付することになります。
LCLとバイヤーズコンソリデーションの違いとは
複数のサプライヤーの貨物をひとつのコンテナに混載して海上輸送するという点では、LCLと何ら変わりないように見えます。 しかし、LCLはそれぞれのサプライヤーに対して別々のConsigneeが存在するのに対し、バイヤーズコンソリデーションはConsigneeが1人(1社)であることに両者の違いがあります。[br num=”2″] また、個々の輸出貨物の管理やバンニングなど、輸出に関わる手続きや調整をすべてConsignee1社の指示で行う点も、LCLと大きく異なる点です。
バイヤーズコンソリデーションのメリット
バイヤーズコンソリデーションは、輸出者・輸入者双方にとって様々なメリットがあります。それぞれどのようなメリットがあるのかについて、見ていきましょう。
輸出者にとってのメリット
船積地の倉庫で商品を保管することができるので、輸出者にとっては自前で保管スペースを確保する必要がなくなる上に在庫を長期間抱えるリスクが減ります。もし、輸出通関時に欠陥品が見つかった場合は、それを引き取るだけで済みます。 また、国によっては免税エリアに貨物を搬入すれば、輸出貨物とみなされ還付金を受けられるところもある点がメリットであると言えるでしょう。
輸入者にとってのメリット
少量多品種の製品を買い付けることができるので、必要なときに必要なものを、ほしい分だけ輸入することができます。また、複数のサプライヤーの製品を1つのコンテナで船積みするため、輸送効率の向上や海上運賃や通関料の削減、リードタイムの短縮にもつながります。 さらに、それぞれのサプライヤーから仕入れた商品を指定倉庫で一括管理するため、入庫スケジュールや在庫状況を把握しやすくなるというメリットもあります。
まとめ
バイヤーズコンソリデーションに対応しているフォワーダーでも、取扱品目や業界によって得意・不得意があります。 業務を委託する際には、そのあたりを見極めた上で、商品の在庫状況や出荷スケジュールなどを管理できるシステムを構築しているフォワーダーを探してみましょう。