投稿日:2025.04.21 最終更新日:2025.04.21
【速報】アメリカ、中国船に対する入港手数料を導入へ|海上運賃の値上がりとサプライチェーンへの影響は?

今回は、「アメリカ、中国船に入港手数料を導入」について解説していきます。 この動きが海上運賃や貿易全体にどのような影響を与えるのか、現場目線でお話します。
CONTENTS
■ アメリカ、中国船への「入港手数料」導入へ|180日の猶予期間あり
アメリカ通商代表部(USTR)は、中国船に対する新たな入港手数料の導入を正式発表しました。 施行には180日間の猶予期間が設けられています。
これは、中国国慶節や北米のピークシーズンを避ける形で、年末以降の導入を見据えたスケジューリングとされています。
■ 入港手数料の内容|中国籍船&中国製船に影響大
入港手数料の対象は大きく2つに分かれます。 ① 中国籍の船舶: ・船舶トン数(Net Tonnage)あたり50ドル ・段階的に課金(今後3年間で増額予定)
② 中国で建造された船舶:(船籍は問わず対象)
・1トンあたり:18ドル
・1コンテナあたり:120ドル
中国製の船を保有しているだけで対象となるため、中国以外の船会社にも影響が及びます。
■ 自動車船にも影響|CEUベースで課金へ
自動車運搬船にも同様の課金があり、CEU(Car Equivalent Unit)単位で手数料が設定されています。
・1CEUあたり:150ドル
・乗用車なら1台=1CEU換算、大型車・重機は複数CEU
■ 第2フェーズではLNG船にも制限|アメリカ製船の使用を義務化
第2段階では、LNG(液化天然ガス)輸送船に対しても制限を加える方針です。
アメリカ製のLNG船を使用することを一部義務化し、今後3年間で段階的に導入されます。
これはアメリカ造船業の再活性化を狙ったもので、「製造業の国内回帰」というトランプ政権の方針を反映しています。
■ 海上運賃への影響は?|太平洋航路の価格上昇は不可避
この政策により、アジア〜北米間の太平洋航路(Trans-Pacific)では運賃上昇が避けられない見通しです。
中国船社に限らず、MSCやCMA CGM、台湾・韓国・シンガポールの船社も多くの中国製船を保有しています。
2024年の新造船の約60%が中国製とも言われており、影響範囲は極めて広いと考えられます。
■ サプライチェーンの再構築も加速か?
導入が半年後に迫る中で、サプライチェーンの地域再編が加速する可能性があります。
・ベトナムやタイなど、東南アジアからの出荷へ転換
・アメリカ向け輸出を減らし、EUや他市場へシフト
こうした動きは、物流だけでなく生産・調達構造全体を見直す契機になるかもしれません。
■ 【まとめ】今後半年が分岐点、海上運賃と供給網に注視を
今回のアメリカの措置は、政治・経済・物流すべてに大きなインパクトを与えます。
・半年間の猶予期間で各社の対応が分かれる
・海上運賃は今後も上昇傾向
・サプライチェーン再構築が加速する可能性
今後の動向に注視が必要です。
■ 編集後記:アキレス腱断裂中でも筋トレ中
ちなみに私事ですが、現在アキレス腱を断裂しており、京都の自宅で静養中です。
「動ける部位は鍛える!」をモットーに、自重トレーニングを継続中です。
右足以外、ムキムキになる予定です(笑)
季節の変わり目ですので、皆さまもどうぞお身体ご自愛ください!