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COSCOの決断!米国の関税・手数料増に対抗する欧州戦略とは?

COSCOの決断!米国の関税・手数料増に対抗する欧州戦略とは? | イーノさんのロジラジ

ロジラジではかねてから米中関係の動向、そしてそれに伴う中国の戦略について注目してきました。

今回のニュースはその状況を端的に示すものとして非常に興味深い内容です。

COSCOグループ、米中貿易摩擦の荒波にもまれながらも成長

中国の海運最大手であるCOSCOグループ。彼らは自国の海事産業の復活を目指すトランプ政権の動向に強い警戒感を抱いています。

2024年12月期の決算では純利益が前期比2倍という驚異的な伸びを記録しました。

米国による追加関税と入港手数料の脅威

しかし2025年にはアメリカによる追加関税の影響が本格化し厳しい状況に直面する可能性があると見られています。

COSCOは世界の船舶輸送量で第4位を誇る巨大企業。彼らのドル箱航路は中国とアメリカを結ぶ太平洋航路でした。


そしてトランプ政権による度重なる関税政策、特に中国製品に対する追加関税20%はアメリカの消費者の購買意欲を大きく減退させる要因となっています。

私自身も中国に出張した際に多くの荷主や輸出業者からその影響の大きさを聞きました。


さらにアメリカは中国籍の船舶もしくは中国で製造された船舶に対して入港手数料を課すことを検討しています。

もしこの案が実現すればCOSCOのような中国企業は一回の入港で100万ドル(約1.5億円)もの手数料を支払う必要が出てきます。

米国政府の中国海運業界への強い警戒感

アメリカ通商代表部が1月に発表した報告書でも中国の海事産業について47回も言及されており、アメリカ政府が中国の海運業界をいかに標的にしているかが伺えます。

そしてCOSCOが運航するコンテナ船の51%がアメリカに寄港しているという現状を考えると彼らが受ける影響は計り知れません。

COSCO、欧州市場に新たな活路を求める

このような状況下でCOSCOは新たな戦略を打ち出しました。

それが欧州市場の強化です。

バランスの取れたグローバルな物流ネットワークの構築を掲げ2024年末にはドイツの老舗物流企業BLGロジスティクスと自動車輸送に関する提携を結びました。


さらに3月上旬には中国のテレビ大手TCLと提携し、ポーランドの物流倉庫を活用して欧州各地へ製品を届けるというサービスを開始しました。

米中貿易摩擦が世界のサプライチェーンに与える影響

これらの動きからCOSCOが米中貿易摩擦によるリスクを回避し新たな成長の柱を欧州に求めようとしていることがわかります。

トランプ政権の動向は世界のサプライチェーンに大きな影響を与えています。今後の動きにも注目していきたいと思います。

まとめ

アメリカからの度重なる圧力具体的には追加関税や入港手数料といった脅威に対しCOSCOは従来のドル箱航路であった米中間の太平洋航路から欧州市場へと舵を切ろうとしています。

ドイツの老舗物流企業との提携や中国のテレビ大手TCLとの連携など具体的な動きがその証左です。


この背景には米中貿易摩擦が世界のサプライチェーン全体に及ぼす深刻な影響があります。

一企業の戦略転換はその影響の大きさを物語っています。

トランプ政権の今後の動向次第ではさらなるサプライチェーンの変化も考えられます。今後の米中関係そしてCOSCOの動向から目が離せません。

動画視聴はこちらから