投稿日:2024.09.05 最終更新日:2024.09.06
悪天候によるコンテナ落水リスクが拡大―喜望峰経由の輸送問題
貿易における海上輸送は、世界の物流を支える重要な要素です。
しかし、南アフリカの喜望峰を経由するルートで悪天候によるコンテナ落水事故が相次ぎ、輸送のリスクが高まっています。
特にアジアからヨーロッパへの貨物輸送において、このリスクは見過ごせない問題となっています。ここでは、最近の事故とその影響について解説します。
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悪天候によるコンテナ落水事故の増加
南アフリカ沖の喜望峰経由での輸送では、悪天候が原因となるコンテナ落水事故が増えています。
今年7月以降、3回の落水事故が発生し、189本のコンテナが海に流出しました。このような事故は、船体の損傷や貨物の破損に加え、運行の遅延も引き起こしています。
具体的な事故事例:MSCとCMA-CGMの被害
MSCの船では、悪天候により46本のコンテナが海に流れ、305本のコンテナが損傷しました。
また、8月15日にはCMA-CGMの船が99本のコンテナを海に落とす事故が発生。
さらに7月9日には、同じCMA-CGMの船で44本のコンテナが流出する事故が起きています。
これらの事例は、喜望峰経由の輸送が今後も安全とは限らないことを示しています。
喜望峰経由の輸送リスクと影響
コンテナが海に流出すると、その多くが海面に浮いているため、他の船舶の航行に支障をきたす可能性があります。
また、輸送の遅延や船会社のコスト増加につながり、保険料の上昇も避けられません。
喜望峰を通る輸送は、距離が長いだけでなく、天候に左右されやすいというデメリットが浮き彫りになっています。